今年の新人は経験不足?新人助産師、先輩が努力すること 

今年の新人学生さんは…

今年の新人さんは、新型コロナウイルスの影響から実習をしていない学生さんが多いかと思います。

看護師さんは領域別実習を途中までしかしていない、助産師さんは、分娩介助をほとんどしていないという話をよく聞きます。

新人さん
新人さん
経験がなくて不安だな…

まだまだ新型コロナウイルスが猛威を奮っていて、来年度以降の学生さんも、今までのように、実習が十分にできないまま就職することが考えらます。

この記事では、今年の新人さんの特徴と、新人スタッフ、先輩スタッフの努力することについて書いています。

自分自身の指導方法を見直すためにも書いているので、ぜひ参考にしていただけるとうれしいです。
haru
haru

今年の新人助産師さんの特徴は…?

私の勤務している病院では、新人助産師さんが数名配属されました。(身バレ防止のため、人数は伏せます)

新人さんに、昨年実習での分娩介助件数を確認すると、1例〜10例とかなり差がありました。

大学院から就職する学生さんは、介助例数が割と多いかなと思いました。

今年度を迎えるにあたり、私の病院でも、実習をしていないことによる経験不足が予測されたため、例年より新人のオリエンテーションスケジュールを大幅に見直しました。

そもそも実習の目的は?

これは以前別記事に投稿していますが、実習の目的は、

1実際に患者さんと関わることで、理論と実践を統合する
2助産師として必要な知識や技術を習得する
3対象に応じて助産ケアを展開する能力を養う

ことだと思っています。大体助産実習の目的はこんな感じのところが多いですね。

今年の新人さんの課題は?

今年の新人さんは、実習をしていない、実習をしていても経験がかなり少ない傾向にあります。

実習をしないことで、問題になってくるところは、

1必要な技術が身につかない
2理論と実践が結びつかない
3対象に応じたケアを考えづらい

ことだと思います。

1必要な技術が身につかない

これはその通りで、助産師としての仕事って、経験が本当に大切なんですよね。

内診なんて、実際にしないと全くわからないし、乳房ケアも実際に触れてみないとわからない。

そして妊婦さんのお腹の張りもわからないし、新生児を抱っこすることも難しいんですよ。

実習期間で全てが身につくことはないのですが、「こういうものなんだ」と体感し、わかるだけでも実習をする意義ってあると思うんですよね。

この経験が全くできていないので、入職してから多くの患者さんのケアをする中で、身につけていかなければなりません。

そのため、例年では指導していなかった基本的なことから、確認する必要があるかもしれません。

2理論と実践が結びつかない

教科書に書いてあることと、自分が実際に見たことを結びつける作業は本当に大切です。

私自身、実習中に「これってこういうことだったんだ!!」と理論と実践がつながったことが多くありました。

出産のリアルな患者さんの様子は見てみないとわからないです。

進行しているサインとして教科書にも記載はありますが、

「痛みで声が出てきたな」「今まで普通に話していたのに、すごく痛そうになったな」

という変化がわからないこともあります。

自分が行っているケアの根拠がわからないことになるので、教科書に書いている基本的な知識も必要ですし、知識とケアが結びつくことも大切です。

 

3対象に応じたケアを考えづらい

実習が中止になり、多くの施設ではペーパーペイシェント、つまり仮定の患者像を教員が作成し、その患者を想定した上で、ケアを考えていたと思います。

実際に患者さんを見てないため、イメージしづらいところも。

そして、人それぞれ経過は異なるので、その時々に応じて最善なケアを考え、修正する必要があります。

実際の患者さんは、教科書通りにはいかないことが多いです。人間そんな簡単じゃない。

「こんなこともあるんだ」とか、「こういう場合、どのように介入したり、ケアをするといいのかな?」

そんな経験をすることで、【個別性】や【対象に合わせたケア】というものを学べるのだと思います。

 

じゃあ今年の新人助産師はどうしたら…?

この状況で一番不安に思っているのは、新人助産師さんだと思います。

自分自身が一番経験不足を感じているでしょう。

ここからは新人さん向け、指導者向けそれぞれに努力することを2つずつ書いていきます

新人さんが努力すること
1わからないことはハッキリと伝える
2「だって実習していないし」と実習していないことを言い訳にしない

 

1わからないことはハッキリと伝える

今年の新人指導は例年と比べてむずかしいことが多いです。

指導するスタッフも手探りの状態でしょう。

どこまで経験しているのか、学んできたのかは学校によってかなり差があるので、「わからないです」とハッキリ伝えてもらわないと、どの程度理解しているのかがわかりません。

指導する方も「知っているのかな?」と毎回確認することになり、手間が増えます。

 

2「だって実習していないし」と実習していないことを言い訳にしない

今は基本的な看護技術やケア、物品についての指導や教育が多いと思います。

今後より実践が増えていくでしょう。

その時に実習をしてないことを楯に取り、言い訳しないようにしてください。

・実習していないからアセスメントができない?

・実習していないから知識がない?

そんなことありませんよね。入職してから勉強する時間はあったはずです。

自分の勉強不足を言い訳にしてはいけません。

厳しいことを言いますが、実習していないことを言い訳にすると先輩も指導意欲がそがれてしまいます。

指導する先輩が努力すること

1何もわからなくて当たり前

2時間をかけて確実に習得するほうが後々ラク

と思うようにしましょう。

自分自身にも言い聞かせるために書いていきます。笑

 

1何もわからなくて当たり前

ここまで今年の新人助産師の特徴について挙げたとおり、今年の新人さんはなんといっても経験が不足しています。

患者さんと接する機会が少なく、入職しているスタッフも多いでしょう。

そのため、患者さんの元へ訪室するだけでも緊張します。

そして、実際に患者さんへ触れる機会が少ない、もしくはなかったため、日々戸惑いながらも技術と知識を習得しています。

最初は実習でできなかったことを習得している状態なので、かなり長いスパンで教育計画を考える必要があります。

最初は何もできなくて当たり前と思っているスタッフが多いとは思いますが、例年よりもさらに時間をかけて指導するつもりでいましょう。

 

2時間をかけて確実に習得するほうが後々ラク

教育するのには、時間と労力がとてもかかります。

忙しい中で、少しでも効率よく指導したいと思うのはとてもよくわかります。

私も日々そのように思っています。

しかし、最初にキッチリ習得していないと、後々大変なことになります。

中途半端なことをすると、フォローが必要になったり、余計に負担が増えることになります。

そうならないためにも、時間をかけてでも、しっかり教えていくようにしましょう。

急がば回れですね。
haru
haru

 

双方の努力が必要です^^

「今年の新人は〜」「私たちの時は〜」と言う言葉は、毎年よく言われます。

私が新人時代だった頃を思い返してみると、このように先輩から言われていても、「その時その時で状況が変わるんだから、しょうがないよね…」と思っていました。

実際に自分が先輩になってから、無意識に使っていることも多いので、反省です。

先輩スタッフは、今の新人の状況を考慮し、指導方法を模索していかなければならないです。

そして、新人スタッフは、先輩から指導してもらう時の態度も見直す必要があるかもしれません。

 

新型コロナウイルスの影響で医療界でも様々な変化があります。

今までと違った対応に、現場のスタッフの負担が増えることも多いかもしれませんが、このような状況下でも入職してきたスタッフがたくさんいます。

そんなスタッフたちと共に、少しでも
成長していけたらいいなと思います。
haru
haru

 

 

 

 

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